メタセコイアと冬の星座と、物語2編

ミヤタです。
好きな樹が増えました。メタセコイアです。

緑の葉が印象的な、背の高い樹。
落葉樹ですが紅葉の時期は遅いみたいで、まだ美しい緑の葉をつけています。

それがこの季節の濃い闇に映えるとなんともいえず美しいことに気付きました。
葉が細く、夜には特に枝ぶりがはっきりと見えます。
ナラの樹のように押してくる存在感はなくて葉の間から闇が透けて見えるようです。

とあるマンションの中庭に、1本だけ立っているメタセコイアがあります。
幹線道路沿いで空が広くて、夜空をバックに立っている姿にいつも見とれてしまいます。
そのむこうから冬の星座がのぼっていく様子を、ついずっと見てしまう。

梢のあいだにひっかかっていた金星が、すこしずつ動いて
樹のすこし上あたりにくる時間帯が特に好きです。

不意に冬の物語を読みたくなって、読みました。
吉本ばななの『キッチン』と『とかげ』。

冬ならではの感性に彩られた作品だと思います。
季節はまだすこしはやいけど、しみてくるものがありました。

底冷えを感じないとわからないことと、
去年の冬にはわからなかったことと。