午後二時と三時のあいだ、九時と十時のあいだ

ミヤタです。
休日の時間の流れ方は、特別だと思います。

ゆるゆると流れているのに、
気付くと急に一日の終わりに向かっている。

そのことに気付く瞬間がふたつあります。
それは、午後二時と三時のあいだ、九時と十時のあいだ。

休日の午後二時は、一日が終わるとは思えないほど平和な気がする。
動くものが少ないからでしょうか。
家にいると、前の道をたまに通る誰かの足音が、
そのしずけさを際立たせるためのものみたいに思えます。

午後三時になると、ふっと陽が傾いて夕暮れにむかっていく。
季節が変わっても、そう感じるのは必ず午後三時です。不思議。
実家の町では午後三時に町内放送が流れていたからかもしれません。

こどものころからそうでした。
午後になると、じっと時計の針をみて、あぁ午後三時が近づいてきた
と思うことが多かったように思います。なにをするでもなく。

午後九時は、夜が深まっているのだけどまだこれからだよ、と思う。
夜の終わりよりもはじまりに近いような。
夕食の余韻が空気として残っているような。

午後十時になると、深夜だ、と思います。
全然普通に起きていて、さあ寝よう、とは思わないのだけど
それでも一日の終わりをふと意識します。

こどものころは八時には寝ていたはずなので、
きっと大人になってから身についた感覚なのだと思います。

いまでは、何かしているとこの特別な時間の変化を見逃してしまうのがすこしかなしい。
ゆっくり過ごす休日には、なにもなくても豊かなものが満ちていると思います。