その街の今は
ミヤタです。
とある小説を読んで驚きました。
主人公の考えていることが、自分がよく思うことと同じだったから。
それは「いま自分が歩いているこの街は、昔どんな姿をしていただろう」ということ。
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関西に引っ越してきてからまず三宮が好きになりました。
路地の感じ、こまごまと軒を連ねる店。
いくらでも歩ける、と思った。
歩いて新しい路地を知り、ますます街に対する愛着がわきました。
お店がどんどん入れ替わって、生きているかのような街の姿は
切なくなりつつも逆にこの姿は今だけのものなんだという愛着につながる。
ふと「震災前の姿を知りたい」と思いました。
そして、実は震災前の三宮のガイドブックを持っていることに気付きました。
大学生のころに、インターンシップで明石に滞在していたことがあって。
気付いて、ガイドブックを熟読しました。
場所を変えていまも営業しているお店がたくさんありました。
以前の街の姿を想像すると、うまく説明できない不思議な感慨があります。
最近は昔の京都の姿をよく想像します。
幕末や戦国時代にもたしかに存在して、いろいろな物語の
舞台になったその場所をいま歩いているという不思議な事実。
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柴崎友香「その街の今は」 です。
街の姿と心あたたまるシーンの描写が素敵なショートストーリー。
1回読んでもう一度読みたくなり、2回目を読みました。
好きなシーンをゆっくり味わいたくて3回目を読みました。